「やっぱり公務員は最高よ!」
「とにかく安定しているもん!」
「それでいて休みもちゃんと取れるでしょ」
「将来安泰やわー」
義母から何度も言われた言葉です。
義父は自営業をしており、それを長年支えてきた妻としてのポジションから自然と出てくる言葉なのでしょうか。
「いつ潰れるかわからない」
「休みがない」
よく言っていたのを思い出します。
そんな義父母に対して「消防士辞めます」と伝える。
自分の中で覚悟が決まっているので何を言われようと“辞めるのを辞める”ようなことにはならないが、義父母にとっては大事な娘の将来に関わる重大なことなので、事後報告ではなく前もって言っておきたかったのです。
平日の昼、妻の実家近くでランチの約束をして、そこで話すことにしました。
「消防士辞めます」義母は大反対
「え?突然何を言ってるの?」
「もったいない!」
「どうしてなの!?」
「何があったの??」
私は続けて説明しました。
「働き方や収入、勤務時間、健康面、家族との時間などから、消防士のままでは自分の理想としている未来を掴むことができないのです。」
「自分の年齢、妻子があること、学歴やスキルがないことも承知の上で、チャンスは今しかないと判断しました。」
「リスクはあることは十分理解しているが、このまま約20年間、我慢しながら、消防を続けることはできない。」
と丁寧に説明した。
それに対して義母は
「仕事なんかそんなもの!」
「みんな何か我慢しながらやっている」
「その安定を手放すなんて考えられない」
お互いに話しているうちに少しヒートアップしてしまいました。
私も続けて自分の心境の変化、転職の経緯を説明しました。
「私もそう思っていましたでも実は、、、」
「安定なんかしていないんです」
「どう言うことかと言いますと、安い給料で縛り付けられて、身動きが取れないのです」
「勤務年数を重ねても、義母さんがイメージしているほど給料上がっていかないし、年々、仕事量は増える一方ですがどれだけ働いても給料は一定です」
「問題なのは、お金の面だけではありません。」
「隔日勤務ということもあり、一見休みが多く見えますが、拘束時間は長く、夜通し現場に出ていることも多いので、非番は疲労して、子供達と遊ぶ体力も残っていません。」
「また、不規則な生活が続いているので、年中睡眠不足の状態で、年々体調不良は明らかになってきました。」
「私自身、そんなことに気づかず、ガムシャラに15年以上働いてきましたが、このままでは苦しい生活から抜け出すことはできないし、身体も心も壊れてしまう。」
「もっと家族と一緒に過ごしたいし、妻や子供たちにお金の心配なんてしなくて済むようにしてあげたい。自分の心と身体を健康に保ちたいと思っています。」
「だから、リスクを受け入れて、環境を変える決断をしました。」
少し力が入った言い方になってしまったが、なんとかこの想いを伝えようと努力しました。
「私が何を言っても覚悟は決まっているのね」
「はい、決まっています」
「アナタ(娘)はそれでいいの?」
「良い」「協力して頑張るから」
「やっぱり公務員が良いと思うからどうしてそんな考えになるのかわからないけど、言っていることはわかりました。」
全てを理解してもらうには至らなかったが、こちらの想いとこれからの方向性は伝わったと思います。
「消防士辞めます」義父の反応は義母とは違うものだった
「お義父さんはどう?」
「もう答え出てるがな。コイツらが良いと思ってるんやからそれでええ。頑張れ」「俺がどうこう言うことじゃない」
その言葉に励まされたと同時にお義父さんが大切に育ててきた娘を絶対に守り抜くという思いが溢れてきた。
「ありがとうございます。」
それ以上の言葉は出てこなかった。
あとは行動して、結果で見せるしかない。
一旦気持ちを落ち着かせるため、喫茶店に移動しました
喫茶店に移動してからも繰り返すような形で話をしました。(少し冷静に)
初めは大反対だった義母も最終的には何を言っても変わらないんだねと、無理やり理解してくれたのかなと思います。
それでも「もったいないと思う!」と何度も言われました。
心配かけて申し訳ありません。
数年後、「消防士辞めて良かったね」って言わせて見せます。
この家族がいれば大丈夫。
私ならできると自分を信じている。
転職活動も同時並行で進めながら、次は実の父母に伝える。
【100日メモ】
結婚の申し入れをした時よりも緊張したかもしれない。
大好きなうどん屋の豪華な天ぷらうどんを完食したのに、相当緊張していたのか、全然食べた記憶がない。