2024年3月末で15年以上務めた消防士を辞めた100日後に辞める消防士です。
今回は救急隊員として、約10年間の経験から、実際にあった救急事案を紹介します。
「ソファと絵本で大出血」
現役救急隊員の方も、そうでない方も参考になる記事です。
転職記事の息抜きのような感覚で読んでいただけたらと思います。
救急指令「30代男性、臀部から出血」
ある平日の21時頃の救急指令です。
「30代男性、臀部から出血」
臀部とはお尻の事を指します。
指令内容から想像すると、転倒したのかなー、何かにぶつけてしまったのかなー、もしくはもともと怪我していたところから再出血したのかなーとさまざまな、想像しながら現場に向かったのを記憶しています。
指令内容から様々な状況(特に最悪のパターン)を想像しておくことで、スムーズな活動に繋がります。
現場到着 一般的な戸建て住宅
対象者本人と妻、子供が生活している戸建て住宅のリビングで事故は起こりました。
対象者の手には血だらけになったタオル、紺色ジャージのお尻には血が大量についています。
一気に現場に緊迫感が走ります。
傷口を確認すると、、、
肛門が裂けるように負傷していました。(負傷した状況は後ほど詳しく)
直接圧迫止血と酸素投与をして、迅速に救急搬送を行いました。
臀部→肛門だったり、下腹部→性器だったりすることはよくあります。
肛門付近だから確認しない。これはNGです。
処置を適切に行えなかったり、アンダートリアージになりかねません。しっかりと説明した上で負傷部位を確認、対応することが大事です。
負傷状況 ソファに座っただけでなぜ肛門から大量出血した?
クッションの間に絵本が挟まっていたのです!(上からはわずがに見える程度)
「ソファに勢いよく座ったら絵本があったんです。」
これでもよくわかりませんでした。
詳しく話を聞き進めると
「ソファに絵本が隠れて立っていたのです。」
ここに、リラックスしようと勢いよく座り込んだところ、絵本の角が肛門を襲ったのです。
硬い絵本の角、全くの無防備、想像しただけでゾッとします。
ソファクッションの間にあったのは「大ピンチ図鑑」
絶対に笑ってはいけない、嘘みたいな本当の話なのですが、そこにあった絵本は「大ピンチ図鑑」だったのです。
命に関わる超大ピンチです。
まとめ
今回は本当にあった救急事案を紹介させていただきました。
ソファの隙間に立てられてあった絵本に気付かず、勢いよく座り込んだところ、肛門付近に絵本が突き刺さり、大出血したという事案でした。
現役消防職員の方には、活動の参考にしてほしいですし、そうでない方には類似の事故を防ぐために役立ててほしいなと思います。
転職記事の息抜き程度に読んでいただけたら幸いです。